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【書評】「マネーの公理」は投資のリスクを体系的に学べる名著

dartmaniaです。

マネーの公理は、擬態的な投資手法ではなく人間の心理状態やリスクとの向き合い方に付いて学べる良書です。

リスクをどうやって取れば良いか分からなっくなった時、売り時や買い時が分からなくなった時、直感で決めようとしている時なんかに読んでもらいたいです。

今回は、リスクについて学べる「マネーの公理」を紹介したいと思います。

マネーの公理とは

「マネーの公理」はスイスの一部の投資家達の間で暗黙の了解として伝わっていた決まり事を体系化した本です。

詳しい内容は本に任せますが、昔からお金について真剣に考え向き合ってきた人達の公理が分かり易く書かれています。

しかし私自身は一部、納得出来ない内容もありました。お金については全てが正しい訳ではありませんからね。

この本は、投資も含め人生は全てギャンブルであると謳っています。何かを得るためにはリスクを取らなくてはいけません。特にお金においては預金でも投資でも債券でも、いつ何が起こるか分からないリスクがあるギャンブルと言えるのです。

12の公理と16の副公理

マネーの公理は12個の大公理があり、その中にさらに16の公理があります。

一つ一つは独立しておらず、全てを読む事で一つに繋がります。

公理1. リスクについて

公理2. 強欲について

公理3. 希望について

公理4. 予測について

公理5. パターンについて

公理6. 機動力について

公理7. 直感について

公理8. 宗教とオカルトについて

公理9. 楽観と悲観について

公理10. コンセンサスについて

公理11. 執着について

公理12. 計画について

以上が12の公理ですが、具体的な手法は何一つないです。ただ、投資のリスクと向き合った時に色々な考えが錯綜する中でこれらの公理は自分を助ける事となるでしょう。

心に響いた名言

今まで色々な方が書評を書かれていますので、私は「この一文は心にグサっとくる・・・」と感じた文を紹介していきたいと思います。

Introduction

Introductionは本を読んでいて読者を引きつけるために重要な場所ですよね。私は著者の父フランク・ヘンリーの言葉に早速やられました。

給与だけで考えるな、給与では決して金持ちにはなれない。だから多くの人々がもらって貧しくなるのだ。

はい、その通りですね。内定を貰った企業に入って給与を貰うだけでは金持ちにはなれません。確かに大手に就職出来れば1,000万円の給料を貰う事も不可能ではないでしょうが、潰れてしまえばおしまいですし、時間もとられます。

大切にしたいお金で買えない価値がある3つのモノ - Dartmania Cafe 

第一の公理「リスクについて」

当初の元金がそれほど大きいものでないなら、分散投資は状況を一層悪化させる。

これは、自分への戒めとなっています。余力が少ない人がコツコツインデックスや米国高配当株に投資をしてももらえる額は少ないんです。

私はよく配当金で生活したり、セミリタイアに憧れていますが、そもそも余力が少ないためリスクを取らなければダメだなと計算して思った事が何度かあります。

積立手法が出来るのは紛れもなく会社からのサラリーがあるからです。

勿論、コツコツ積立てるのも立派な投資戦略ですが、今はもう少しリスクをとって投機をしていきたいと思っていた事を強く後押ししてくれた一文です。

 20代の投資は大きくリスクを取る事も大切 - Dartmania Cafe

第三の公理「希望について」

アマチュアのギャンブラーはカードが自分に有利になるように祈るが、プロは、カードが不利な場合に、どのように自分を救うかを学ぶ。

 投資とはいえリスクがあるものについては、全てギャンブルともいえます。祈っているだけで自分の手札が良くなる事は滅多にありません。

今有名な投資家も過去には数えきれない後悔や失敗をしてきたと思います。著名な金持ちの金額ばかりが目につきますが、負け方を知らない、窮地になった時に逃げる術を知らない人はいないのではないでしょうか。

「こうなれば良いのに」と思うよりも、「今安定している相場でももしこうなったらどうするか」を考えて素早く動ける様にしておくことは大切だと思います。

第六の公理「機動力について」

お金を貸した対象に強く執着する事は間違っている

これも戒めになっています。例えば、私は2017年にライザップを売却した直後に急騰しました。

ライザップから学んだ売却リスク - Dartmania Cafe

「うわっやってしまった」と思い、とっさに買おうとしましたがこのほんの言葉を思い出して辞めました。

結果的にはその後も上昇していたので失敗だった訳ですが、私なりには満足しています。

たまたまその後も上がっただけですし、もしかしたら急落する事も考えられます。

一回売買した銘柄と言うのは愛着が残りがちです。特にバリュー投資をしている方は企業研究もされているため執着するのも無理はないでしょう。

愛着を持つのは人間だけにしておきたいですね。

第七の公理「直感について」

直感を感じたら、最初にすべきことは、その直感を生み出すほど、巨大なデータの図書館が、あなたの心の中に存在しているかどうか、自問する事である

このほんの面白い部分は、自分の直感に付いても公理として定義している事です。こういう言葉で表しにくい部分も上手く解説している本にまだ巡り会っていません。

人は聞いたり目で見たりする事で一日に莫大な情報に晒されています。直感と言うのは、そういう覚えてはいないけど何となく頭の中に残っている記憶の繋がりがあるかどうかで判断しろという事です。

つまり直感に論理的根拠があるか、自分がその知識を持っているかを考えてみようという事です。

この直感に対するアプローチは面白いですね。

第十二の公理「計画について」

少なくとも三ヶ月毎に再評価して、投資を継続することが正当化できるかどうかを確認しなければならない。

長期投資家が陥り易い事について解説してくれています。

この銘柄は買ってからずっと保有しておけば良いという考えに対して、疑問を投げかけ続けようと言う事です。

いくら大企業と言えど、いつ倒産するかは誰にも分かりません。業績が悪くなる事もあり得ます。

私もそうですが、長期的に投資をしようと思っている方は、定期的な確認をすべきでしょう。

ETFや投資信託で分散出来る商品についても私は同じだと考えています。

まとめ

マネーの公理は自分のリスクについて考える時、投資との向き合い方、お金との向き合い方を考えるのにとても参考になります。

また今回は書けなかった内容の中にも、非常に興味深い事が沢山書いてあります。

一度手に取って、リスクと向き合ってみるのも良いかもしれません。

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