dartmaniaです。
「工程管理って何?」
最初に先輩から知っているか聞かれた僕は何も分かりませんでした。
色々調べている内に、工程管理の必要性と重要性に気付いた僕は、調べた事を色んな人に伝えたい、また自分の備忘録として残したと思い記事にする事にしました。
今回は、工程管理においてメジャーな手法の1つであるクリティカルパス法の使い方をメリットやデメリットを交えてお話しします。
はじめに
工程管理とは
そもそも工程管理とは、納期や生産設備、労働力、資材等の制約のもとでプロジェクトを完遂するために効率的なスケジューリングを行い、作業プロセスの可視化を図る事が目的です。
企画、設計、開発、製造など多岐に渡るプロセスが組合うプロジェクトでは、各工程を細分化し、実行する事で大きな利益をもたらしてくれます。
つまり、プロジェクトの業務を細かく日程調整する事で、進捗管理やタスク管理(すべき事を明確にする事)をし易くする効果があります。
CPM
CPMは、Critical Path Methodの略で、日本ではクリティカルパス法とそのまま呼ばれています。(以下、CPM)
クリティカルパスを簡単に説明すると、「先行作業が終わってから後続作業をする」という相互関係を基に各工程を時系列に並べていく事です。
その中で、最も時間のかかる経路をクリティカルパスと呼び、重点管理する必要があります。
なぜなら、これが遅れる事は全体的にプロジェクトが遅延する原因となるからです。
CPMの使い方
では、実際にCPMを見ていきましょう。
最も単純なクリティカルパス
上図は最も基本的なCPMの考え方です。
対応関係は次の通りです。
アルファベット:作業(調査、企画、製造など)
日数:作業にかかる日数
青丸の数字:先行作業の終わり(=後続作業の始まり)
上図を見ると、Bの作業をするためには、Aという作業が必要です。CもBが終わらないと出来ない作業である事が分かります。
また、日数を見てみると、Aは4日間、Bは2日間、Cは3日間となり合計で9日間かかることになります。
ここで矢印を矢線、数字の入った青丸を結合点、この図自体を矢線図と呼びます。
それでは、次はどうなるでしょう。
今度は少し複雑になりましたが、基本的な考え方は変りません。
例えば、Fという作業をするためにはEとCを完了させておく必要があります。
このようにして複雑に絡み合う工程を1つの図に落とし込んでいくのがCPMです。
ここで日数を見てみましょう。
青丸4に行くためには、2通りの方法が考えられます。
A→C(11日間)
A→B→E(9日間)
この日数を見てみるとCを経由した方が工程は多くかかる事が分かります。
裏を返すと、A→B→Eの経路は2日間の余裕がある事になります。
つまり、BもしくはEの作業は2日間遅れても最終工程日数には影響しないと言う事です。
同様に考えれば、このプロジェクトで最も時間のかかる経路はA→D→G(21日間)になります 。
この最長経路の事をクリティカルパスと呼び、プロジェクト期間はこの経路により決まります。
ちなみに、CもしくはFに関しても1日の余裕があります。
ダミー作業
ここでは、ダミー(疑似)作業という架空の作業が入ります。4a→4に該当する部分がダミー作業で、通常点線で表します。
4aと4では、相互に直接関係してはいません。ただし矢線の先の作業(4)を始める前までには矢線の出発点(4a)が終わっている必要があります。これは実線では的確に表せない平行作業の相互関係を理解し易くするために用いる補助的な作業です。
工程が複雑になればなるほど、ダミー作業の必要性が出てきます。通常ダミー作業に費やす日数は0日として換算します。
つまりこの場合のクリティカルパスはA→B→D→E→Gの23日間となります。
CPMから分かる事・メリット
まず大きなメリットの一つとして、全体の見通しを知る事が出来ます。おおまかな見通しが立てられれば、プレゼンも分かり易くなります。
クリティカルパスに優秀な人を割り当てられる
最も重要な事は、CPM上のクリティカルパスに最も優秀な人を抜擢する事です。先程も言いましたが、クリティカルパスが遅れればプロジェクトの遅延、強いては顧客への信頼感の損失という重大な危機にさらされかねません。
近年は、人口減少や出生率低下による人手不足が大きく取り上げられています。その中で企業は上手く経営をしていかなくてはなりません。
つまり仕事を割り振る時に、その人の評価に基づき適材適所に人員を分散させ、プロジェクトを期日通りに完遂する事こそが、CPMの最大の狙いであると考えています。
そのために、日頃から人を見る目が重要なんです。他人との関わりが重要なんです。
他の作業で生じた時間を有効活用出来る
クリティカルパス以外の工程では、図からも分かる様に余裕な人員が生まれます。
その残余人員をクリティカルパス上の工程に充てる事で、プロジェクト全体の工程を短縮する事も可能です。人は従来この様に配置する事が望ましいのではないかと思います。
また、他のプロジェクトのサポートにまわる事も可能です。
つまり上手く人員配置する事で、業務が効率化し生産性向上が図れるのです。
クリティカルパスを任される人材になろう
新入社員や若手社員で、目標が漠然としていている人もいるかもしれません。その時は、自分がプロジェクトのどの部分を任されているか考えてみましょう。
もしクリティカルパス上に居なければ、その業務を任される事が具体的な目標の一つになるはずです。
クリティカルパスを任される人は信頼があってこそです。
クリティカルパスを任される人材になる事が上に行く通過点だと思います。そうする事で楽しさややりがいが見つけられるかもしれません。
デメリット
デメリットとしては、プロジェクトの各工程にかかる日数の予測が的確でないとCPMは意味を全くなさなくなってしまう点が挙げられます。
そのため、クリティカルパス上の日程には細心の注意を払っておく必要があります。
しかしながら、刻一刻と変化するプロジェクトに最初から適切な日程を組む事自体が難しい事もあるでしょう。今までに似た案件がない新規プロジェクトでは、どのくらいかかるかも分かりません。
その問題に対する唯一の対策としては、絶対に遅れてはならないキーポイントはしっかり抑える事、CPMに対してPDCAサイクルを回す事です。
各工程には大工程、中工程、その他小工程など業務によってランク分けされます。その中でも絶対に遅れてはいけないキーポイントを設定しておく事が重要です。
また常に目を光らせる事も大切です。
クリティカルパスを短く出来ないか、この工程が遅れたらどうなるか、その場合の対策はどうするなど色々考え、実際に起こった時に対処出来る様、PDCAサイクルを回す事が必須だと思います。
まとめ
CPMの考え方は元々、デュポン社が1950年代に開発したものです。
これが様々な分野の工程管理に応用されて今の社会に馴染んでます。
今回の事をまとめてみます。
1. CPMからクリティカルパスを導く
2. クリティカルパスに有能なチームを配置する
3. 変化に応じてPDCAを繰り返す
これを意識するだけでも大分仕事の見方が変ってくると思います。